琵琶湖の在来魚の減少について
2024/05/28
琵琶湖に生息する在来魚が減少しています。本記事では、琵琶湖の在来魚への影響について、一漁師の立場から考察します。主観を含み、間違っている場合もございますので、お気軽にお読みください。
目次
琵琶湖で生息する外来魚の種類
琵琶湖は日本最大の淡水湖であり、多くの魚種が生息しています。しかしながら、近年、外来魚の増殖が懸念されています。琵琶湖で生息している外来魚の中で代表的なのがブラックバスです。ブラックバスはアメリカ原産の魚で、日本には19世紀に導入されました。琵琶湖では、釣りや競技会などの目的で人為的に放流され、急速に増殖しました。また、ブルーギル、チャネルキャットフィッシュ、ニジマス、なども外来魚として問題視されています。近年急激に増殖しているワカサギ、産卵のため接岸したワカサギを掬うワカサギ掬いは、その食味の良さも相まって冬の風物詩となっておりますが、今後注意が必要かと思われます。これらの外来魚が琵琶湖の生態系に与える影響が懸念されており、対策が必要とされていますが、本当にそれだけでしょうか。琵琶湖を保護するためには、外来種の魚の持ち込みを防ぐことも大切ですが、他の要因についても考察してみます。
ブラックバスによる在来種への影響
琵琶湖のアユなどの在来種が減少した要因として、常に悪者とされてきたブラックバスですが、最近エリでの漁獲量も激減し、その数はかなり減っていると感じてます。しかし、アユなどの在来種の漁獲高は増えるどころか減少しているように感じます。ブラックバス以外に琵琶湖の在来種が減少した要因を求め、何か対策しないといけない時期がやってきているのでは? では、何が原因なのでしょうか?
・水質について、下水が完備されたことにより、琵琶湖の水質は飛躍的に向上しましたが、リンや窒素といった養分が欠如し、植物性プランクトンが減少している
・大型の外来性植物プランクトンが増殖し、ミジンコの餌が減りミジンコが減少している
・田んぼの農薬化が進み、琵琶湖の揺り篭としての役割がなくなっている
・護岸整備や藻狩りにより、葦原や藻場が減り、小魚の隠れ場がなくなっている
・産卵期が異なるワカサギの増殖により、在来魚の稚魚がワカサギの格好の餌となっている
・地球の温暖化により琵琶湖の水温も上昇し、約10℃の水深が約50mから約60mへと深くなっており、冬場の全層循環が十分行われず、深部への酸素供給が不十分で、琵琶湖底部で生活しているエビやイサザの生存が危ぶまれている。
以上、色々考えられますが
滋賀県には、手遅れとなる前に何か手を打っていただきたいものです。